種痘記念日
1796年のこの日、イギリスの外科医ジェンナーが初めて種痘の接種に成功した。
種痘の登場以前は、天然痘は最も恐ろしい病気の一つだった。発症すると、高熱に引き続いて、全身に化膿性の発疹ができるため、運良く治った人もあばた面になった。
以前より、一度天然痘にかかった人は、二度とこの病気にならないことが知られていた。また、ジェンナーは、乳絞りの女性から牛痘にかかると天然痘には罹からないことを聞いた。そこで、牛痘にかかった乳絞りの女性サラ・ネルムズの手の水疱からとった膿を、近所に住んでいた8歳の男児フィップスの腕に接種した。10日後に発症したがすぐに治癒し、その後天然痘を接種しても感染しなかった。この実験は、学会には認められなかったが、ジェンナーは貧しい人たちに無料で種痘の接種を行い、次第に認められるようになった。
天然痘による死亡者は劇的に減少し、1979(昭和54)年10月末に世界保健機構(WHO)によって根絶が確認された。
温度計の日
水銀温度計を発明し、華氏温度目盛り(°F)に名前を残すドイツの物理学者ファーレンハイトの、1686年の誕生日。なお、この日附はユリウス暦によるものであるが、ファーレンハイトの生地ダンツィヒ(グダニスク)では既にグレゴリオ暦に改暦しており、それによれば5月24日となる。
華氏温度は、塩化アンモニウムを寒剤として得られる当時人間が作り出せた最低温度を0度、人間の平均体温を96度とし、その間を等分して得られる。この温度目盛りによると、水が凍る温度は32度、沸騰する温度は212度となる。ファーレンハイトが1724年に発表し、現在では主にアメリカ・カナダ・イギリスで用いられている。
中国では、ファーレンハイトに華倫海の字を当てたことから、「華氏」と呼ばれるようになった。